私達の人生がそこにある映画「マンチェスター・バイ・ザ・シー」

あらゆる創作物には制作者側の意図があり、そこには彼らの思想や哲学が流れています。「どの様に表現するのか」は、表現者が選択するさまざまな媒体や表現手段、技法によって異なるところが本当に面白いな〜とつくづく感じております。     マット・デーモン製作の本作。過去によって固く心を閉ざし、かつて住んでは町マンチェスターから離れて生きているリーと、マンチェスターで高校生活を満喫している…

真面目だから可笑しい!英国発の映画「しあわせはどこにある」

幸せとはどこにあるのか。 フランスの精神科医フランソワ・ルロールの小説『幸福はどこにある 精神科医ヘクトールの旅』を原作としているこの映画は、コメディー映画なのですが、どうしても頭にチラつくのはMrビーンの姿(笑)   正直お腹を抱えて笑える!という類いのコメディーでは、個人的にはなかったのですが、 キャラクター設定が丁寧で、みんなそれぞれ変なキャラクターでも、そのまま普通に「そういう人…

軽く明るくリフレッシュできる!映画「はじまりのうた」

キーラ・ナイトレイが主演する映画「はじまりのうた」 は、 ストーリー的には決してに真新しい題材ではありません。 長年つき合っているミュージシャンの彼氏が大きなレーベルと契約を機に、2人はNYへ越してくる。 学生時代から一緒に音楽を純粋に作って来た2人だったが、彼のメジャーデビュー後、2人の関係にも変化が訪れる。 ツアー旅行から帰って来た彼は、他の子に心変わりをしたことを告げる。   失恋…

ドキュメンタリー「ミニマリズム」は私達を幸せにしてくれる?

                「持たない幸せ」「シンプルな暮らし」など、日本でも大人気のミニマリズム。 様々な本が出ていて、有名ですよね。     ”幸せになりたくて買ったのに、 全然、沢山の物達は自分を幸せにしてくれなかった” ”もっとお金を稼ぐ事、成功する事を目指していたけれど満たされなかった…

孤独と狂気と興奮と。映画「セッション」は誰にでも起こりうる?

                  映画「ララランド」を観て、「この監督は一体誰!?」と興奮してしまいました。 若干32歳で、あんな作品を撮ってしまうデイミアン・チャゼル監督って。。。! 先日のアカデミー賞では、史上最年少監督賞にも輝いたデイミアン・チャゼル監督。 その底知れぬ才能の豊かさに、ちょっと怖さも感…

結末は分かってるけれど面白い!
ドラマ「ずる賢いバツイチの恋」

  偶然テレビで1話の再放送を見てから、続きが気になってしまい、そのまま全16話、楽しく見てしまったドラマ「ずる賢いバツイチの恋」(huluで見れます)。私にとっては、初の韓国ドラマだったのですが、とても面白かったです! 難しい話は一切無し!ライトなラブコメは、脳みそツルッツルに楽しませてくれ、ベタな演出やストーリーも、上手なカメラワークと、エモーショナルでドラマティックな音楽と、コミカ…

優しいエネルギーに包まれていた漫画家「羽海野チカの世界展」

    前回、浦沢直樹先生の個展を見てから 、漫画家さんの原稿が放つエネルギーにすっかり魅了されてしまった アテクシなのですが、先月行われた羽海野チカ先生の世界展も、とても素敵でした! 展示はタイトルに「世界展」とあるように、生原稿や原画、ネームと一緒に、先生が学生時代お金が無くて手作りしたというワンピースやお仕事道具やコレクションの数々が展示されていて、先生の創作と生命のエネ…

未来まで壊さないで 映画「ルーム」

先日新聞で、監督レニー・エイブラハムソンと主演女優のブリー・ラーソンのインタビュー記事が載っていて、興味を持った映画「ルーム」。女優のブリー・ラーソンは今作でアカデミー賞も受賞しました!『どんな状況でも人は希望を抱くことができる、ということを伝えたかった』という監督の言葉に惹かれて、今回大画面で見てきました。以下ネタバレを含んでいますので、ご注意を!   7年間監禁された母子の生活 5歳…

キラキラの嵐=愛
アニメ映画「KING OF PRISM by Pretty Rhythm」

  面白いよ!という風の噂に乗って来た「キンプリ」こと「KING OF PRISM by PrettyRhythm」という映画。 以前放送されていた女児向けテレビアニメ「プリティーリズム」のスピンオフ作品で、その中に出てきた男子3人組ユニット“Over The Rainbow”を主人公にしたものだそうです。 面白すぎてリピーターが続出し、150回以上(!)も観に行っているという強者もいる…

奇跡の対談をもう一度!浦沢直樹 × 宇多田ヒカル ③

3回に分けてお届けしてきた、浦沢直樹x宇多田ヒカル対談も、今回が最後です。   5歳の宇多田ヒカルと5歳の浦沢直樹が共鳴する  宇多田 わたしが曲を作る原動力って結局、”恐怖”と”哀しい”と”暗い”なんですよ、全部。ちっちゃい頃に世界にビクビクしていた時期があって、そのときに危機探知本能がめちゃくちゃ発達しちゃって、今も夫とテレビを観ていて、この女優さん結構いいのに何か足りないよねって話になると、…