スティーブ・ジョブズ氏の自伝本を今更ながら読んでいたところ、離ればなれになっていたジョブズ氏の実の妹モナ・シンプソンさんが書いた自伝的な小説「ここではないどこかへ」の内容が面白い!というレビューを発見。
気になった私は、今回映画の方を先に鑑賞してみることにしました!
原題は「Anwehere, but here」。
映画邦題タイトルは微妙に小説とは異なり、「ここではないどこかへ」→「ここよりどこかで」。
お話は、「娘を女優にする!」と意気込む母親(スーザン・サランドン)と、全然やる気のない14歳の娘アナ(ナタリー・ポートマン)が、共にほぼ身ひとつで、田舎町からカリフォルニアのビバリーヒルズへ夢を追って出て来るところから始まります。
これだけ聞くと、よくありがちな映画のストーリーのように聞こえるかもしれませんが、ところがどっこい。
こちらはジョブズ氏の妹モナさんの実体験が元になっているので、エピソード1つ1つがやたらシュールでリアルで、それでいて、痛い‥!!
「あなたのためなのよ!」と自分の夢や考えを娘に押し付ける母親と
「あなたのせいで私の人生はめちゃくちゃよ!」と自分のどうしようもなさを母親のせいにする娘。
「ビバリーヒルズに行ったら」「娘が女優になったら」「こんな大きな家に住めたら」もっと今より幸せになれるのに、と頑張る母親と、
「母親がもっと普通だったら」「母親から離れることができたら」もっと今より幸せになれるのに、と怒る娘。
2人とも「ここではないどこか」を求めている。
些細な事で、二人は感情をぶつけあって激しく喧嘩するのだけれど、
強がって粋がって、着飾っている母親の心の奥にある寂しさを、誰よりも感じているから、反発するけれど中々離れられない娘。
ナタリー・ポートマンがティーンエイジャー特有の憤りをとっても上手に好演してます✨
いや〜、スーザン・サランドン様の貫禄ある名演と美しさも、
若かりし頃のナタリー・ポートマンの可愛さも、眩しかった!!
本作の強烈でエキセントリックな母親像は、「レディ・バード」や、「20センチュリー・ウーマン」にも通じるものがあるような‥!
印象的だったのは、そんなパンチのある強〜い母親のキャラクターを、
とっても愛情深く、優しい目線でこの映画は描写している、という点。
原作者であり、娘のモナさんが幼い頃から見つめてきた、一番近くにいたからこそ分かる、実母のどうしようもなさや、憎めないチャーミングさが、演じているスーザン・サランドン姐様の魅力も加わり、とっても人間らしい、破天荒なのにどこか憎めない人物像として描かれていました。
映画は綺麗に終わっていましたが、
実際の二人のお話は、きっとあの後も、まだまだ色んな事があったんだろうなぁ‥と、勝手に想像してみたり‥!
原作作者であり、スティーブ・ジョブズ氏の妹でもあるモナ・シンプソンさんによる、ジョブズ氏への追悼メッセージを偶然発見したのですが、これがとても素敵だったので、もしよかったらコチラよりご覧下さい☺
(原文はこちら)
ここよりどこかで(字幕)
▶AmazonとiTunesにて鑑賞できます☺ DVDはこちらより
映画『スティーブ・ジョブズ』予告編
スティーブ・ジョブズ(2013)
▶2013年にアシュトン・カッチャー主演で公開されたスティーブ・ジョブズの映画。
スティーブ・ジョブズ (2016)
▶ こちらは2016年のマイケル・ファスベンダー主演版の映画スティーブ・ジョブズ。
3つの新製品発表会直前に限定して組み立てられたストーリーだそうです!
スティーブ・ジョブズ 自由の精神(字幕版)
▶ BBCによるジョブズ氏のドキュメンタリー作品。Amazonプライムにて無料で観れます♡
映画「ここよりどこかで」 (1999) アメリカ
キャスト: スーザン・サランドン, ナタリー・ポートマン, シャーン・ハトシー, ボニー・ベデリア
監督: ウェイン・ワン
脚本: アルビン・サージェント
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