映画

「私」と「あなた」を繋げているものは?
映画「ビューティー・インサイド」

2018-08-11

 

 

物事を斜めかつ距離を持って眺めるその視点が大好きなコラムニスト辛酸なめ子さんと、ブロガーまつゆうさんこの対談で名前が挙がっていた韓国映画「ビューティー・インサイド」(2016)。起きると毎回違った容姿に変わってしまうという不思議な体質を持った主人公ウジンが恋をしたら‥。そんな突拍子もないファンタジーラブストーリーなのですが、年齢も国籍も性別も異なる123名が1人のキャラクターを演じている姿はとても興味深かったです。

 

18歳のある日から12年間、この自分の特異体質を受け入れながら、それなりに楽しく生きてきた主人公ウジン。カッコいい容姿の時に女性をナンパして一夜を共にした後、朝はそそくさと出て行く‥。

 

このウジンの特異体質を知っているのは母親と友人だけ。顔を見せなくてもできる仕事として、ネットを介したオーダーメイドの家具職人として静かに暮らしていた。

 

そんなウジンが、通い慣れているはずの家具屋さんで働くハン・ヒョジュさん演じるイスの存在に、ある日ふと気付き、恋をしてしまう。そして、毎日違う姿になってしまう、という自分の特異体質と、改めて向き合うことになっていく‥。

 

 

韓国ドラマ歴の浅い私でも知っている、好青年なパク・ソジュンさんや

 

先日見終わったドラマ「運勢ロマンス」に出演していたキム・サンホさん

 

上野樹里さんらが、ウジン役として登場。上野さんは、ふとドラマ「ラスト・フレンズ」の演技が思い出されるような、男前で憑依的な演技力で魅せてくれました。

 

 

その他ウジンを演じた俳優さんたち、ズラ〜っと!

 

 

本作で初めて知ったハン・ヒョジュさんが、も〜とにかく綺麗で!

 

 

ふとした表情や仕草が、とても柔らかくて

 

可愛い♡

 

 

 

日々変わり続けるウジンのどんな姿でも、彼の本質を心で見つめて愛そうとするイスという役自身がそうであったように、毎回違う相手を前にしながら、1人の人を愛するように演じるのは、俳優さんとしてもとてもとても難しかっただろうと想像します。しかしハン・ヒョジュさんの演技は、誰と一緒でも決してブレることなく、とても美しく魅力的に「ウジン」を愛していました。

 

 

全編を通して映像は、押さえたアンティーク調の落ち着いた色味がとても綺麗ですし、ちょっとしたデートシーンに使われるロケ地や食べ物、インテリアや衣装や光の使い方、小道具や、流れて来る音楽のセンスやタイミングがとても絶妙。そして無駄のないカットとセリフのリズム。とにかくバランスがよくて、鑑賞者を「心地よく」させるのがうまいなぁ‥と観ながら思っていたら、やはりペク監督は韓国で有名なCMクリエイターで、本作は彼の映画初作品とのこと!「20センチュリー・ウーマン」のマイク・ミルズ監督や、「スイス・アーミー・マン」のダイニエルズことダニエル・シャイナート&ダニエル・クワ監督といい、広告業界出身の監督作品は、やっぱりビジュアル表現と音楽のバランスが特徴的です!ペク監督に関する情報はコチラのサイトが、過去の作品など細かく書かれていて興味深かったです。

 

そんなペク監督は、オフィシャルサイトにて、こんな風にコメントしていました。

”恋が始まるのは外見からと考えていたし、それを皮肉的に表現してみたくもあった。
だが、それよりも時間が経つにつれ、愛に対する見方が外見から内面へと少しずつ変わっていくこと、そして映画の題名どおり愛の内面を確かめられる、そんなストーリーを語りたかった。 ”

 

本作の原案は、2013年カンヌ国際広告祭グランプリを受賞して話題となったソーシャル・フィルム「The Beauty Inside」。

全編40分余りの6つのエピソードで構成されたこのソーシャル・フィルムは、毎日違う姿になる男という設定だけでなく、制作方式も変わっている。「誰でも主人公の男を演じることができる映画」というコンセプトでfacebookを通じて1つのエピソードを公開したあと、1週間のうちにユーザーから送られてきた映像で、次回のエピソードが構成されていくのである。主人公アレックスの姿が毎日変わるという設定のおかげで、誰が送ってきた映像でも、そのまま活用してエピソードを構成することができた。観客も一緒にストーリーを作っていくだけでなく、主人公を演じられる前代未聞の制作方式は、SNSを通じて急速に広がり、熱い反響を得た。

オフィシャルサイトより

 

劇中に流れて来る音楽もとても効果的に使われていて、二人の恋を印象的に彩っていました。(↑クリックすると全曲視聴でき、Apple Musicでフルアルバム聴くことができます)

 

 

 

 

この映画を観てふと私が感じたのは、もし輪廻転生が存在すると仮定したら、ウジンが日々異なる容姿で「生まれ変わる」ように、私たちも異なる「身体=容れ物」をまといながら、いくつもの人生を生きている、といえるのかもしれないな、ということでした。転生するたびに毎回「身体」は違ったとしても、何度生まれ変わったとしても変わらないと言われている、私たちの「魂」。普遍的なものと流動的なものの間で、「私」をつなぎ止めているものは一体どこにあり、そして人と人を結ぶものは何なのか。時空を超えた不思議な旅に、少し思いを馳せてみたくなった、そんな映画でした。

 

 

ビューティー・インサイド [DVD]
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