映画

愛から逃げないで
既存のジャンルを超越した映画「嫌われ松子の一生」

2018-11-25

以前観た「ビューティー・インサイド」のパク監督と同じくCMディレクター出身である中島哲也監督の作品が、気になってしまい。既に鑑賞済みの「嫌われ松子の一生」を、とても久しぶりに手にとってみました。

 

 

本作を初めて鑑賞したのはもう随分と昔ですが、自分の中では、「面白かった作品」として長らく記憶に残っていました。今回改めて鑑賞してみたら、古くさく感じるかな?もう好きではなくなってるかな?と少し思ったのですが、久しぶりに観てみても、やっぱりパワフルな作品で面白かったです。

 

 

原作は同名の山田宗樹のベストセラー本。瑛太さん演じる大学生・川尻笙は、父親に30年前に失踪した叔母が最近殺害されたことを知らされます。会った事もない叔母・松子の部屋の片付けをまかされるうちに、彼女の旧友や関係のあった人たちと出会い、次第に謎めいた死を遂げた「松子伯母さん」の人生が浮かび上がってきます。

 

とにかく、このストーリーをこのヴィジュアルで表現でするのか!とビックリするような映像美の連続です

 

アニメーションが間に入ったり ミュージカルが入ったり!さすが監督‥!

 

本作の撮影が相当きつかったという中谷美紀さん。中島監督との関係も一時は相当こじれたそうですが、例え舞台裏ではそうであったとしても、スクリーンの中では中谷さんの魅力的な演技力がググっと引き出されていて、今まで観たどの中谷さんの演技よりもうまくてすばらしかったです!

 

その他出演者も豪華で、ポロシャツをズボンにイン!してる真っ白い歯が素敵な谷原章介さんをはじめ、

 

劇団ひとりさんに

 

柴崎コウさん

 

伊勢谷友介さん

 

武田真治さん

 

少しだけですが、中島監督の「下妻物語」で最高の演技をしていた土屋アンナさん

 

市川実日子さん

 

そして、なつかしいガレッジセールのゴリさんもハマリ役でした(笑)

 

 

 

タイトルには「嫌われ松子」とありますが、松子は決して周囲から嫌われていなかったのだろうと思います。1番彼女を嫌っていたのは、他の誰でもない、松子自身だったのだろうと‥

 

 

一見すると、愛を求め続けていたようにも見える一連の松子の姿は、「自分は愛されるのに相応しくない」と自己否定するかのような形で、次々と自分を傷つけるような男性たちと関わっていっているようにも見えたり‥

 

または、松子同様「愛から逃げている」、そんな男性たちに惹かれ愛してしまった‥とも言えるのかもしれません。

 

 

確かに、松子がそんな風になってしまった原因は、父親や家族との関係に由来しているかのようにも、このストーリーは受け取れるのですが、ここでは「実際その関係がどうであったのか」ということが問題ではなくて、「その関係について松子がどう感じ、反応して生きてきたのか」が、大きく彼女の人生に影響している様子が、主軸として描かれているように感じられました。

 

 

「愛」の定義は人それぞれ異なりますが、自分の価値や生きる証を自分の外側に求めたり、誰かに心の穴を埋めてもらおうと他者に依存したり、自分の幸せや不幸を誰かや何かのせいにしてしまうと、人は次第に人生のバランスを崩していく‥。だけど、それでも、いいじゃないか。

”人の価値って、何をしてもらったかじゃなくて、何をしてあげたかってことだよね”

劇中に繰り返し出て来るこのフレーズが、優しく響いていました。

 

 

愛から逃げて逃げて逃げて、最後の最後に「本当は帰りたかった場所」へと戻り、「ただいま」と言う松子の姿がとても印象的でした。

このストーリーを、あの映像美と音楽でリズミカルに表現し、決して飽きさせないだけでなく、後味の悪い悲劇にしてしまわない、中島監督の手腕に脱帽の名作です。

 

 

 

映画「嫌われ松子の一生」
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