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映画

悲しい歴史の中で
異なる選択をした者たちへの
ラブレター映画「サーミの血」

2017-11-16

 

 

 

それがいつからだったのか、定かではないのですが、長い間、個人的にサーミ人に親近感を抱いていました。白い雪に映える、あの目の覚める様な美しい赤と青で作られた彼らの民族衣装が、とてもとても好きで、北欧ラップランド地方で今もトナカイを遊牧をしながら暮らしているという彼らの生活を、いつか見てみたい、と思っていました。

今回、そんなサーミ人を題材にした映画、ということで見て来たのですが、映画「サーミの血」は、私の知らなかった、サーミ人が差別されてきた過去を描いていました。

アマンダ・シェーネル監督(Amanda Kernell)は、スウェーデン人とサーミ人を両親に持ち、自身の周りにいた一族の年長者たちから着想を得て作られた作品だそうです。

 

舞台は1930年代スウェーデン。

サーミ人の主人公エレ・マリャは、スウェーデン人たちか不当な扱いを日々受ける中、自身のサーミ人としての過去を捨てて、スウェーデン人として自由に生きようとするのですが、妹ニェンナやラップランドに暮らす家族、同じ学校のサーミ人たちは、そんなエレ・マリャの行動を理解できず、次第に疎遠になってゆく‥。

 

本作に登場するサーミ人は、全て本物のサーミ人を起用したそうです。

主人公エレ・マリャ役を演じたレーネ=セシリア・スパルロクと、ニェンナ役ミーア=エリーカ・スパルロクは実生活でも姉妹。演技をするのは今回が初めてだったそうですが、とてもそんな風には見えない程、2人とも力強い眼差しとセリフに頼らない演技力がとても印象的でした。

 

老年の主人公エレ・マリャを演じたマイ=ドリス・リンピも、勿論本物のサーミ人。彼女の力強い瞳や刻まれたシワのひとつひとつが語りかけてくるエネルギーも、もの凄かったです‥

 

 

個人的には、主人公が恋に落ちた相手(と言っても、いいのかしら‥?)ニクラス役演じたユリウス・フレイシャンデルJulius Fleischanderlがイケメンで、眼に美しかった♥

 

さすが美男美女が多い国というわれるスウェーデン、甘い♥

 

甘い♥

 

 

アマンダ監督はオフィシャルサイトに、こんな風に語っていました。

「多くのサーミ人が何もかも捨てスウェーデン人になったが、私は彼らが本当の人生を送ることが出来たのだろうかと常々疑問に思っていました。この映画は、故郷を離れた者、留まった者への愛情を少女エレ・マリャ視点から描いた物語です」

 

 

差別や迫害は、世界中の様々な文化の中で今も起きている事です。

しかし、誰かや何かが悪いと責めたり、自分自身のことを否定した上に、本当の自由や幸せはあるのだろうかと、この作品を通して改めて感じたと同時に、原因や問題は「何か」や「誰か」のせいではなく、そもそも私たちの生活を支えているこの「社会システム」によって引き起こされた「現象」の1つなのではないだろうか‥と、感じました。

本作は監督の周囲にいる、かつて異なる選択をした両方のサーミ人達に対してのラブレターであると同時に、私たちの周りにも存在している様々な差異に対する、優しい眼差しを含んでいるように、感じられました。

 

 

 

▶ アマンダ・シェーネル監督と主人公を演じたレーネ=セシリア・スパルロクへのインタビューも面白かったので、是非。

 

 

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