ドキュメンタリー

現代ファッション産業を考える ドキュメンタリー映画「ザ・トゥルー・コスト〜ファストファッション真の代償〜」

2017-08-02

 

より安い服を求める消費者と、途上国の労働者を摂取する工場の間にある見えないリンクを追う、現代のファッション産業を捉え直すドキュメンタリー。見ているとおなじみのブランドたちが出て来て、自分もこの状況に関わっている当事者である事を思い知らされます。

 

 

私達の生活を支えている資本主義の世界では、「新しさ」「安さ」が大きな価値を持っています。ファストファッションブランドは世界中に支店を増やし、私自身も大いにその恩恵を得ながらこれまで生きて来ました。これまでもシーズンごとに大量生産されているペラッペラの洋服たちに「何だかおかしいな」と感じたり、「きっと遠い国で誰かが一生懸命作っていて泣いているかもしれない」という思いが全くよぎらなかったわけではありませんが、毎日の生活を繰り返している中で、自分の目の前のことしか考えられなくなっていたことを、改めて気付かされました。

 

 

ここ最近連続で見て来た「食の問題」を扱ったドキュメンタリー作品たちですが、今回の問題と共通しているのは、私たちの生活や人生を支えている「資本主義」という価値観とライフスタイルであることが、浮かび上がって来ます。そう、資本主義は「食」だけでも、「ファッション」だけでもなく、「衣食住」すべての私達の人生のあらゆる部分を支えている概念とシステムである事に、改めて気付かされます。

 

 

あらゆるものが関係し合い、影響し合いながら、私たちの人生が成り立っているということ。「世界の皆にとっての正しい世界の在り方」というものは、私には分からないのですが、例えば「世界」を変えようとしたり、「資本主義」を批判したり反発するのではなく、またいきなり山の中で世捨て人の様に生きるのではない方法で、環境や自分自身と調和する生き方の可能性をもっと探ってゆきたいなと、見終わった後には、そんな風にアテクシは考えていました。