我らが地球を愛する男代表、レオナルド・ディカプリオがプロデューサーとして製作したドキュメンタリー「Cowspiracy サステイナビリティ(持続可能性)の秘密」の続編として作られた本作「What the health 健康って?」。「健康な体は健康的な食事から」というフレーズはよく耳にしているし、このドキュメンタリーが舞台となっているアメリカと日本では状況は違うでしょう〜と、お気楽に見始めたら、非常に痛かったです‥
本作は監督自身が、自らの疑問を解くため、オープンソースをリサーチし、さまざまな団体にインタビューをしてゆくスタイルで撮影され、軽妙なリズムでテンポよく進んでゆきます。
監督自らも心気症の治療中であり、その原因はてっきり遺伝だとばかり思っていたそうです。
さまざまな病気を支援する協会の病気予防の勧めに従って、運動したり、禁煙し、健康的な食事をし、十分な睡眠も取って来たといいます。
しかしニュースで、世界保健機関が「ソーセジやハムなどの加工肉は、直接ガンを誘発する原因である」「ホットドックやベーコンなどはタバコと同等に危険な可能性が」と報告し、加工肉を発ガン性物質グループ1としたことから、疑問がわく。
なんとこれはアスベストやプロトニウムと同じグループ。
赤身の肉はグループ2に分類されているそうです。
発がん性物質であると知らぬまま、幼少期から加工肉を食べて育った監督は、ショックを受けます。
彼が米国ガン協会のHPを見てみても、その事は一切触れていない。
触れていないどころか、「健康的に食べよう」のページには、発がん性物質であるハムや肉、ツナ缶、チキンなどを使ったレシピさえ載っていて更に疑問がわくキップ監督。
彼は米国ガン協会などにインタビューを願い出るのですが、ことごとく断られたり、この事について疑問を投げかけると、代表者たちは皆面白いくらい口を固く結んでいました。
その様子を不思議に感じた監督が更に調べてゆくと、ぞっとするような「食」と「病気」、またそれらを支援しているはずの「協会」と「政府」「お金」の深い繋がりが浮かび上がってくるのです‥‥。
私達の生活の中に「普通」に提示されている、恐ろしい選択肢たち。
「何を食べるのか」色々と改めて考えたくなる、ピリっとするドキュメンタリーでした。